世界一の女性バリスタを世に送り出すというコンセプトのもと、
2012年に誕生した「LATTEST」で
バリスタ兼マネージャーとして活躍する宗広裕美さん。
コーヒーに関わる仕事の魅力とともに、人や店舗を
支えることで得られるやりがいについて伺いました。
――以前はコーヒーやサービス業とはまったく違う異業種に就いていたそうですね。
人の健康や命を支える仕事に興味を持ち、大学を卒業後は医薬関連機関に就職。治験や臨床試験で収集されたデータの管理や分析を行うデータマネジメントを担当していました。
――転職のきっかけとなる「LATTEST」との出会いについて教えてください。
20代後半に差し掛かり、他にも自分らしさを発揮できる仕事があるのではと思っていた頃、友人とコーヒーを飲もうかとたまたま入ったのが表参道のLATTEST。店内の内装がとてもお洒落で、ドリンクを待つ間に「こういうライト、欲しいんだよね」などとお喋りをしていました。すると、ラテを淹れてくれていた女性のマネージャーさんが「このライト、秋葉原で売っていると思いますよ」と、お店の名前をメモに書いて渡してくれたんです。もうびっくり! なんて親切な店員さんなんだろうと感動しながら飲んだ、お店のシグネチャードリンクでもあるラテストがあまりに美味しくて、さらに感動。こんな素敵なスタッフがいるお店で働いてみたい!と気持ちが一気に高まって、数日後にはお店に求人の問い合わせをしていました。
――素晴らしい行動力です。
実は、大学時代にカフェでアルバイトをしていたんです。お客さまと接する仕事にやりがいを感じていた当時の自分を思い出したということも要因のひとつでした。そして、さりげない気遣いと美味しいコーヒーで喜ばせてくれた店員さんの姿が、自分にとっての理想のように思えて。できることなら正社員で働きたかったのですが、面接をしてくださった社長に「今、キミが働いている会社とうちとでは、払える給与がまったく違う。仕事も生活も一変するキミの人生を背負うことは、現状では難しい」と言われてしまいました。でも、自分としてはどうしても働きたい。そこで、会社は辞めずに週末だけバイトをさせてもらうことにしました。
――実際に働いてみていかがでしたか?
最初の難関は、ラテアート。きれいな絵を描くには、ミルクの温度や泡立て方にコツがいります。もともと不器用な私はトライ&エラーの繰り返し。ようやくお客さまに提供できるようになると、カップをお渡しした瞬間に、皆さん笑顔で「わー!きれい!」と喜んでくさって。それが嬉しくて嬉しくて。バイトをはじめて1年がたった頃、自分も本格的にコーヒーについて学びたいと、あらためて社長に懇願し、会社を辞めてLATTESTに専念することになりました。その後、お店では、前マネージャーが「GLITCH COFFEE & ROASTERS」さんの焙煎機を借りてシェアロースターによる自家焙煎をスタート。私も焙煎を教わり、コーヒーに対する知識と技術を深めていきました。
――バリスタやロースターとしてのやりがいや難しさはどんなところにあると思いますか?
バリスタとして働くようになり、コーヒーの奥深さをあらためて知ったことは大きな収穫でした。例えば、初めは酸味のあるコーヒーは苦手だったのですが、コーヒーはフルーツの種から出来ていることを知ると、酸味があるのは当たり前だと思え、香りまでも楽しめるようになりました。そうした自分自身の発見をお客さまに伝えながら、お客さまにも新たな発見を楽しんでもらえるのもバリスタならではのやりがいだと思います。
焙煎は、その日の天候や気温、湿度に合わせて豆の焼き加減や抽出を調整するなど、難しいことだらけ。しかも一回失敗したら、取返しがつかない。だからこそ、緊張もプレッシャーも乗り越えた先に待ち受けている、お客さまの「美味しい!」の声は何よりのご褒美です。
――今は、マネージャーとしてスタッフ育成も担当されていますね。
私自身、リーダー気質ではないため、当初は自分がスタッフをまとめきれるのか心配で。でも、先頭に立ってみんなを引っ張るのではなく、自分らしいやり方でスタッフを支える存在になれればいいんじゃないかと気づいて。自分で背負い込もうとせず、みんなに頼ろう。そして、「みんなで一緒にLATTESTを盛り上げていこう!」と声をかけるのが自分の役目と考えたら、気持ちが前向きになれました。
――LATTESTのスタッフは全員、女性というのも特徴ですね。
優しく穏やかで温かみのあるコミュニケーションが取れているのは女性ならではかもしれませんね。みんなとてもフレンドリーなので、バリスタ個人のファンになり、さらに店舗自体のファンになってくださるお客さまも多いんです。その一方で、女性が集まると、どうしてもキャッキャと盛り上がりがち。仲良しこよしになりたいところをぐっとこらえて、「自分たちはコーヒーのプロであるバリスタとして人に“見られる”立場にある」というプロ意識を持つことが大切だと伝えています。
大会に出場して上位入賞を目指すスタッフもいれば、コーヒーのことをもっと知りたくて働きはじめたスタッフもいるなど、意識はみんな高い。個々がきちんと目標や目的を持って輝き、その輝きが集まることで各店舗、そして「LATETEST」というブランドの魅力が増していく。そんなイメージを持っています。
――宗広さん自身は自分をどのように輝かせたいと考えていますか?
いつもスタッフには、「それぞれが責任者だと思って仕事に取り組んでほしい。ただし、トラブルがあった時の責任は私や社長が取る」と伝えています。その言葉に説得力を与えるためにも、コーヒーの技術も知識も、人生経験も磨かなくてはと思っています。そして、私とLATTESTを結びつけてくれた、当時のマネージャーのように人によい影響を与えられる存在になれたら本望です。
――スタッフの活躍を支えている宗広さんが自身に「プラチナ・メダル」にちなんだ最上級の栄誉を贈るとしたらどんなことでしょう?
コーヒーの魅力をface to faceでお客様に発信する、最高にして最強のチーム「LATTEST」を築いたことでしょうか。とくに、新店舗の立ち上げは、予想外のことが次々に起きて、1~2カ月はスタッフも私もヘトヘト。でも、みんなで「自分たちもちゃんと休憩を取りながら、お客さまにご満足いただけるコーヒーとサービスを提供する!」を目標にしながら、過去最高収益を出したときはみんなで大喜びしました。ただ売り上げを伸ばすだけではなく、働く人にとってもやりがいと心地よさを感じる場を作りたい。そう思いながら真面目にコツコツとやってきたことがここにきてようやく芽を出してきたように感じます。
もちろん、ここまでこれたのも、私だけの功績ではなく、2012年に表参道の一号店がオープンして以来、LATTESTの発展に尽力してくださった先輩方や同業他社にも関わらず、ロースターを使わせてくれたり、焙煎の知識を教えてくださったお店の皆さん。そして、LATTESTを気に入ってくださり、足を運んでくださるお客さまや秀逸なコミュニケーション力でお店を盛り上げてくれるスタッフ一人ひとりがいてくださったからこそ。その感謝は忘れてはならないと心に誓っています。
――ご自分へのご褒美にプラチナのジュエリーを身に付けて出かけるとしたらどんな場所へ行ってみたいですか?
特別な場所というより、あえてピクニックに行くなど、カジュアルなシーンで身につけたいです。きっと、憧れの存在でもあるプラチナのジュエリーを身につけたら、いつも目にする景色が変わりそう!普段と違う、ウキウキする気分をじっくりと味わってみたいです。
――最後に、今後の目標をぜひ教えてください。
女性がより長く働ける環境をつくりたいです。女性にはどうしても、結婚や出産といったライフステージの変化で、自分以外のことを優先しなければいけない期間がありますよね。そうしたライフステージの変化から、辞めてしまったスタッフがたくさんいます。でも、そういった人生の変化をスタッフみんなで見守って、子育てをしながらも、いつでもお店に戻ってくることができる。そんな安心感をスタッフに持ってもらうために、自分自身も道を切り開いていけたらと思っています。
1987生まれ。大学を卒業後、医薬関連機関に入社し、
データマネジメント業務に就く。たまたま入った「LATTEST」での
接客とコーヒーに魅せられ転職を決意。
アルバイトを経て2016年に社員として入社し、
ラテアートや焙煎の技術を身につける。2018年にマネージャーに昇格。
東京ミズマチにオープンした「LATTEST SPORTS」など
全店舗のスタッフの育成のほか、店舗開発にも携わっている。
着用ジュエリー ピアス GINZA TANAKA ネックレス WISP
リング BELLE BLANCHE
※2022年7月取材
プラチナ・ジュエリーの国際的広報機関プラチナ・ギルド・インターナショナルが、貴金属の最高峰であるプラチナを500 グラム以上も使用して製作した特別な宝飾メダルです。
素材 | Pt999(純プラチナ) |
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総重量 | 565.84グラム (留金具2個含む、リボン別) |
サイズ | 直径 880 ミリ、厚さ 6 ミリ |
参考価格 | 約 1000 万円(非売品) |
素材: Pt999(純プラチナ)
総重量: 565.84グラム (留金具2個含む、リボン別)
サイズ: 直径 880ミリ、厚さ 6ミリ
参考価格:約1000 万円(非売品)