今回は特別企画として、プラチナ・ギルド・インターナショナルが
国内のリーディングジュエリーブランド各社と
共同で立ち上げたジュエリーブランド「プラチナ・ウーマン」の
チャリティー先でもある
認定 NPO 法人カタリバの
代表理事を務める今村久美さんにインタビュー。
自身が大学在学中の2001年に、どんな環境に生まれ育っても、
未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指してカタリバを立ち上げ、
2009年には日本を代表する起業家として米国『TIME』誌の
表紙を飾るなど、国内外から多くの注目を集めています。
今回改めてカタリバ設立の思いと今後についてお話を伺いました。
――NPOカタリバを設立したのは、今村さんが大学生の頃。どんなことがきっかけだったのでしょうか。
地元の岐阜を離れ、東京で大学生活を送るうちに、同じ日本で同じ時代に生まれ育っていても、教育機会に恵まれた人とそうでない人がいることに気づかされたんです。私の場合、家族の中で大学に進学したのは自分がはじめて。けれど、大学の友人たちは両親も大卒で、高校生の頃から海外留学を経験していた人は少なくない。親からの教育投資、与えてもらった機会の格差や経済的格差、愛情格差など、親元にいる高校生の時点ですでに格差があり、その差が未来への希望や自分への自信といったものに大きな影響を及ぼしているのではと思い至りました。
そういった格差に気づいた自分だからこそ、できることがあるはず。自分が感じたギャップを埋めるためにも、あらゆる環境に生まれ育った違いを超え、10代の子どもたちが未来に希望を抱く心を育む場を作りたいと思ったのがカタリバを立ち上げたきっかけです。
――設立からの20年間、10代の子どもたちを取り巻く環境はどのように変化し、それに対してカタリバでは、どう取り組んできたのでしょうか。
昨今、格差や社会の分断について様々なニュースで報じられることが多くなりましたが、その分断は個人単位でも進んでいるように思います。隣にどんな人が住んでいるのか分からず、子どもは「知らない人に声をかけられたら逃げなさい」と親に教わる。さらに、SNSによって常に限定的な“誰か”とつながり続けている。社会から分断され、同質性の高いコミュニティの中で生きていくことは、一方で想定外の出会いの機会が失われていることも意味します。これは偏った価値観を生むことになりかねないと私自身、危惧してきたことでもあります。
そこで重視したのが、“ナナメの関係”。カタリバの取り組みの特徴のひとつが、親でも教師でも友達でもない、少し年上の先輩と本音で対話することで意欲と創造性を引き出す点です。将来に希望を持てずにいる高校生に、未来を考えるきっかけを届ける場として、「出張授業カタリ場」を作り、2011年に発生した東日本大震災では、被災地で学習支援と居場所づくりに奔走。さらに、家庭環境に困難を抱えた子どもたちが安心できる居場所づくりなど、学校や地域、行政と連携しながら、10代の可能性を広げるさまざまなサービス・プロジェクトを提供してきました。コロナ禍でさらに社会が分断されつつあるからこそ、自分たちのような場づくりは求められている。そう信じて、親も子も孤独にさせない取り組みを継続的に実施しています。
――現在、とくに注力している課題はどんなことでしょうか。
不登校児支援です。文部科学省の調査結果によると2020年度に、不登校とみなされている小中学生はおよそ19万人。高校生を含めると23万人もいるとのこと。そこで、立ち上げたのが学校に通うことが難しい子どもたちとその家族をサポートするためのオンライン不登校支援プログラム「room-K」です。さまざまな理由で学校に通うことが難しい児童生徒に対して、臨床心理士や社会福祉士などの専門性を持つコーディネーターらとともに、一人ひとりに合わせた学びを届けています。
また、その保護者に対しても、面談や保護者会などを通じて、一人で悩みを抱え込まないようにサポート。「ひとりじゃないですよ」「一緒に考えましょう」「頼れる機関を探しましょう」。そんな声かけが重要だと感じています。
――「プラチナ・ウーマン」は主に20代、30代の女性向けのブランドです。この世代の方たちは社会課題の解決や社会貢献をしたいという意識が高いと言われています。カタリバの活動を通してそのように感じることはありますか?
とくにコロナ禍を機に、本業の仕事以外にプラスαの活動として何かのカタチで支援したいと申し込まれる方がとても増えています。誰かのために役に立ちたいと具体的なアクションを起こしている方たちからは、そうした活動を通して「自分も学びたい」「社会と関わっていきたい」という意思を強く感じます。
私自身を振り返っても、単にお金を稼げればよいのではなく、自分の行動に本質的な意味を見出したいという思いが強くなるのがこの世代。震災やコロナ禍、ウクライナショックなどを経験したことで、自分の時間が有限だと気づき、時間の使い方に意味を求めはじめたということもありそうです。例えば、ジュエリーを買うときにも、「プラチナ・ウーマン」のようにブランドのコンセプトやストーリーに共感するものを選ぶなど、ひとつひとつの行動の動機がより深くなっている方が多いのではないでしょうか。
――この世代の女性に向けてメッセージを送るとしたらどんな言葉を送りたいですか?
20代、30代は就職や転職、結婚、出産などライフステージがどんどん変わっていくだけに悩みや迷いがつきもの。つい人と自分を比べて不安に思ったり、焦ったり、ときには自分が取り残されたような気持ちになり、寂しさを感じている人も少なくないと思います。
私もNPOを立ち上げたときは、孤独でした。友人たちは大企業に就職が決まっていくのに、自分はこのままで大丈夫なのだろうかと不安になったり。でも、そこで自分を信じて、一歩を踏み出すことで、自分にしかできないことに出会い、人との出会いにも恵まれることができました。その過程ではSNSから離れて、周りと距離を置くこともありました。今、出口の見えない迷路をさまよっていると感じている人は、あきらめずに頑張ってと言いたいです。
――プラチナ・メダルにちなみ、自分に“最上級の栄誉”を贈りたくなる、自らを褒め称えたくなるような成果・成功についてお聞かせください。
カタリバのチームみんながいきがいを持って活動してくれていることです。現在、常勤するスタッフは約120名いるのですが、その中には、東日本大震災で被災し、カタリバのプロジェクトに参加したかつての中学生も2名います。うち、ひとりは自身が生まれ育った岩手県の大槌町、もうひとりは上京し、都内の中高生向けの放課後の居場所で大活躍。支えられる側から支える側になったことに彼女たちの成長とカタリバの成長を実感します。
震災から10年が経ち、新たな世代が活動を支えてくれていることがとても頼もしいです。そして何より、こうした活動が20年以上続いているのも、寄付などで支援してくださる方々あってこそ。心から感謝しています。
――パーソナルな面で、自身にとってささやかなご褒美とは?
40歳までずっとがむしゃらに働いてきたからか、今は、家族で過ごす何気ない日常にやすらぎを感じます。今年の夏は、小学生になった息子と一緒にカタリバの拠点もある岩手県の海でシュノーケリングを楽しみました。自然のなかで子どもと過ごす時間が、今の私にとってはささやかにして最高のご褒美です。
――カタリバのこれからの未来に向けた展望をお聞かせください。
組織としてこれ以上大きくすることはあまり考えていないんです。ただ、社会的には求められているのは十分、承知しています。そこで、次のカタリバを作ろうと、各地で活動をしている方たちを支援する事業もはじめました。私たちが願っているのは、10代の子たちの小さな居場所が全国各地にできること。そのために立ち上がった方たちを応援し、ともに明るい未来を築く子どもたちをこれからも育んでいきたいです。
認定NPO法人カタリバは、子どもたちが未来を作り出す意欲と創造性を育める未来の実現を目指し、日本国内の10代を対象に多様な学びの機会を届けている団体。2001年、高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供。2020年には、経済的事情を抱える家庭にPCとWi-Fiを無償貸与し学習支援を行う「キッカケプログラム」を開始するなど、社会の変化に応じて幅広い教育支援事業に取り組んでいる。
カタリバ公式サイトプラチナ・ジュエリーを通じて、自分らしい生き方を見つめる女性たちのエンパワメントを後押ししたい。そんな思いからプラチナ・ギルド・インターナショナルが国内のジュエリーブランド各社と共同で立ち上げたジュエリーブランド「プラチナ・ウーマン」。2020年11月の始動時より、チャリティプログラムとして、コレクション1点のご購入につき 500円を「認定NPO法人カタリバ」に寄付しています。
プラチナ・ウーマン1979年生まれ。岐阜県出身。慶應義塾大学在学中の2001年に
任意団体NPOとして「カタリバ」を設立し、
高校生のためのキャリア学習プログラム「カタリ場」を開始。
2006年に東京都のNPO法人化。2009年に日本を代表する起業家として
米国『TIME』誌の表紙を飾る。東日本大震災以降は、
被災地や生活困窮世帯など困難を抱える子どもたちの
学びの意欲と創造性を引き出す幅広い教育支援事業を次々と展開。
着用ジュエリー プラチナ・ウーマン アイコンモデル ペンダント、ピンキーリング
※2022年8月取材
プラチナ・ジュエリーの国際的広報機関プラチナ・ギルド・インターナショナルが、貴金属の最高峰であるプラチナを500 グラム以上も使用して製作した特別な宝飾メダルです。
素材 | Pt999(純プラチナ) |
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総重量 | 565.84グラム (留金具2個含む、リボン別) |
サイズ | 直径 880 ミリ、厚さ 6 ミリ |
参考価格 | 約 1000 万円(非売品) |
素材: Pt999(純プラチナ)
総重量: 565.84グラム (留金具2個含む、リボン別)
サイズ: 直径 880ミリ、厚さ 6ミリ
参考価格:約1000 万円(非売品)