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2021.4.22
2025.3.27
ツヤのある深緑色がオリエンタルな魅力を醸し出す翡翠(ヒスイ)。
身に着ければ身に着けるほど美しくなる宝石と言われる神秘的な翡翠には、果たしてどのような意味が込められているのでしょうか。
アジア圏では特に人気が高く、日本とも深い関係性をもつ翡翠の魅力を、込められたパワーや石言葉とともに、その特徴や歴史からひも解いていきましょう。
まずは、翡翠と呼ばれる宝石の持つ特徴や産地などを見ていきましょう。
アジア圏をはじめ、古くから様々な文化の中で親しまれた翡翠。
美しい深い緑色がイメージされる翡翠ですが、実は石の色自体は無色透明で、様々な鉱物が集まることでその複雑な色合いを成しています。
翡翠の主な産地は、ミャンマー、日本、中国、ニュージーランド、ロシアなどです。
特にミャンマーでは、透明度が高くツヤのあるジェダイト(硬玉)が採れることで有名です。
日本の主な産地は、新潟県の糸魚川(いといがわ)市。
糸魚川とその周辺では、宝石として価値が高い翡翠が多く産出されます。
他にも、鳥取、兵庫、岡山などの一部地域でも、翡翠が産出されています。
翡翠が産出されるのは「沈み込み帯」と呼ばれる、地球のプレートが沈み込んでできる場所です。その沈み込み帯に位置する日本でも、質の良い翡翠が産出されるのです。
日本国内でも産出され、広く知られる鉱物であること、また、自然科学など様々な分野で重要性を持つ石であることから、2016年には、日本鉱物科学会によって日本を象徴する石「国石」にも選ばれました。
まさに日本ならではの地質が生み出す宝石なのです。
翡翠という漢字には、「カワセミ」という読み方がある通り、鳥の名前が由来になっています。カワセミを指す「翡翠」は中国で生まれた言葉で、中国語で「翡」は美しい模様や羽、「翠」は緑を表しています。
赤と緑の美しい色彩を持つカワセミが、同じく赤と緑を併せ持つミャンマー伝来の翡翠と似ていることから、その名前が付けられたと言われているのだそうです。
そんな翡翠の英語名は「ジェード」。
これは、スペイン語で腹痛を治すためのまじないの石を指す「piedra de ijada(ピエドラ・デ・イハーダ)」から来ており、フランス語、英語と変化を遂げていくうちに「Jade」となったと言われています。
翡翠は、身に着ければ身に着けるほど美しくなる「色が育つ宝石」と言われています。
その理由は、肌の油分が翡翠の表面ツヤを増してくれるから。
通常、宝石には皮脂などが大敵ですが、翡翠はその逆です。
乾燥に弱く、表面の油分が蒸発すると白く変色してしまうこともあるため、身に着けたり触る機会が多いほど美しい色になるとされています。
翡翠には緑色のイメージをお持ちの方も多いと思いますが、実は様々な鉱物が集まってできているという特性から、他にも白色から黄色、赤色、オレンジ、ラベンダー、灰色、黒色など、様々なカラーバリエーションがあります。
日本では馴染みのある鮮やかな深い緑色が一番価値が高いとされますが、中国やマレーシアでは淡い黄緑色の翡翠が好まれていたり、透き通ったホワイトカラーが「氷翡翠」などと呼ばれ成功を導く石として親しまれていたりと、日本ではあまり見かけないカラーも、国によっては人気が高いこともありますね。
「翡翠」と呼ばれている宝石には、実は次のような2つの種類があります。
ジェダイト(硬玉)
ジェダイトは、「本翡翠」とも呼ばれ、翡翠の中でも貴石(宝飾的な価値の高い宝石)に分類されます。基本的には、日本で宝石として「翡翠」と呼ばれ価値があるのは、このジェダイトになりますね。
硬さを表すモース硬度では6.5〜7とされていますが、結晶構造が強靭であることから壊れにくいと言われています。
ネフライト(軟玉)
ネフライトは、モース硬度6〜6.5と、ジェダイトよりも柔らかいため「軟玉」と呼ばれる宝石です。ジェダイトほど豊富なカラーバリエーションはなく、緑〜深緑色が一般的ですね。
産出量が比較的多いことと柔らかく加工がしやすいことからアクセサリーなどでも多く使われており、ジェダイトと比較すると手頃な価格で入手できます。
世界最古の翡翠があるのも日本の糸魚川で、糸魚川の翡翠は約5億2000万年前にできたものと言われています。
縄文時代には縄文人が翡翠の加工をはじめ、その後の新石器時代には武器や道具、装飾品として用いられてきました。
日本では実際に約5000年前、縄文時代のものとされる翡翠の勾玉も出土しており、世界最古の翡翠文化発祥の地でもあります。翡翠の勾玉は権力の象徴や儀式などに用いられる神聖な石としてなど、様々な用途で使用されていたと言われています。
翡翠といえば中国のイメージが強いですが、ミャンマーから中国へ渡ったのは1700年代後半頃。
中国のジェイドはネフライト(軟玉)が主で、彫刻の置物や装飾品に用いられたり、不老不死の力が宿るとされ死者と共に墓に埋葬されたりしていました。翡翠はかの有名な権力者の西太后が愛した石としても有名です。
その他にも、メキシコにかつて存在したアステカ王国で「奇跡の石」「内臓疾患に効く石」として珍重されていたり、そのアステカ王国から翡翠を持ち出したスペインによってヨーロッパ諸国に広く翡翠が流通し、不思議な力を持つ異国の石として王室や貴族などの間で人気を博すなど、翡翠は世界各地で神秘的なパワーを持つ石として親しまれてきたと言われています。
翡翠の石言葉は「繁栄・長寿・幸福・安定」です。
古くから翡翠は神聖な儀式などに使われていて、中国では穴の開いたドーナツ状の翡翠は天国の象徴とされていました。
有名な哲学者の孔子も「ジェイドの明るさは天を表している」と記していたほど。
お守りとしての歴史も長く、ネガティブなエネルギーから身を守り、持ち主の魅力を伸ばしてくれると言われています。
翡翠は、「純粋さと平穏の象徴」と言われており、ネガティブな思考を解き放ちインスピレーションを高め、建設的な情熱を持って行動できるよう体と心の調和をもたらしてくれる存在と言われています。
中国では人徳を得るために必要な5つの要素である五徳(仁・儀・礼・智・信)が宿る石とされ、翡翠を持つことで石の持つ徳が身体の中に移動すると考えられていました。
また、古くから身体のろ過器官と排泄器官の働きを助ける働きがあるとも考えられており、スペインでは実際に温めた翡翠を腎臓に当てるという治療法が行われていたそうです。
自分の誕生月に合わせて身に着けることで、幸運を運ぶと言われる誕生石。
翡翠は、そんな誕生石のひとつとして、5月の誕生石に選ばれています。
誕生石一覧はこちら
誕生石は複数存在する月もあり、5月の誕生石には他にも、翡翠のような美しく鮮やかな緑色の輝きが特徴のエメラルドがあります。
エメラルドの石言葉は、「幸福」「愛」「献身」「知恵」など。
「愛の象徴」とも言われており、恋愛や結婚に関するサポートをしてくれる石としても愛されています。
エメラルドについて詳しく見る
5月が誕生日の方へのプレゼントに、翡翠やエメラルドをあしらったジュエリーなどはいかがでしょうか。
日本では、結婚記念日に1年ごとに名前が付けられており、その名前に関する贈り物をするという風習があります。
結婚35周年の記念日は「翡翠婚式」。
壊れにくく、古代から不老長寿など不思議な力があると信じられてきた翡翠を使ったジュエリーなどを、翡翠の結晶構造のように強靭な夫婦の絆を祝う贈り物として選んでみるのも素敵ですね。
美しい翡翠ですが、持っている力や歴史を知る人からは「怖い」というイメージを持たれることもしばしば。そう感じさせる理由には以下のような背景が考えられます。
まじないの道具として使われていたから
翡翠はニュージーランドやメソアメリカでまじないの道具として使われていました。
日本でも勾玉(まがたま)に加工され、神様に祀る祭具として使用されていた歴史があります。ネックレス状にした勾玉を身に着け、神様に祈りをささげる巫女の姿を映画やアニメなどで見たことがある人も多いはず。
そこから翡翠=呪術の道具として不穏なイメージを持つ人もいるようです。
死者が身に着けていたから
翡翠の歴史に死者が関わっていることも「怖い」イメージがつきまとう理由のひとつです。
古来より生命の再生をもたらす力があると信じられていた翡翠は、死者とともに埋葬する副葬品として人気の石でした。
古代中国や中南米の王族の墓では、死者に翡翠の玉を金属の糸で繋いだ玉衣(ぎょくい)を纏わせることで肉体を維持できると考えられていたそう。南中国でも再生への祈りを込めて死者の口などに翡翠玉を詰める葬玉(そうぎょく)が行われていました。
不思議な体験談や口コミから
パワーストーンとしても人気の翡翠には、デトックス効果を感じた、安眠できるようになったなど、効果を実感したという体験談が多くあります。
そんな体験談の中には、「翡翠が熱を帯びて危機を報せてくれた」「夢の中で先祖からの助言を受けた」という不思議なものも。そんな翡翠の力を肌で感じたという人たちの口コミから、強い力を持つ石=怖いというイメージがついたのではないでしょうか。
このように、翡翠は強い力があると信じられていたことから怖いイメージを持たれることもありますが、実際には幸福や繁栄など、ポジティブな石言葉を持っていたり、体と心の調和をもたらしてくれるとされるように、決して怖い石ではありません。
国石にも指定されるほど日本とも馴染みが深く、愛されている宝石です。
美しい緑色は神秘性だけでなく、装飾品としても静かな森のような癒しを与えてくれるでしょう。
アクセサリーやジュエリー、置物と、さまざまなものに加工されている翡翠ですが、ジュエリーとして価値のある翡翠にはどのような条件があるのでしょうか?
翡翠の評価基準から、美しい翡翠の条件を見ていきましょう。
先にご紹介したように、日本では翡翠は緑色が一番価値が高いとされています。
鮮やかで濃いエメラルドグリーンが人気でしたが、最近では爽やかな青りんご色も人気です。
内部の組織上、色ムラが出やすいため、まだら模様がない、純粋なカラーの翡翠が価値が高いとされています。
ジュエリーとしての翡翠は、山型になったカボションカットを施されるのが一般的です。
カボションカットは山の頂上の位置が高いもの、思わず手に触れてみたくなるような、表面が滑らかでくぼみがないものが高価とされています。
翡翠の価値には大きさも重要だとされていますが、大きくても美しいカットが難しいような粗悪なものは評価されにくいでしょう。
翡翠の評価基準で最も大切なのは透明度です。
不透明から半透明まである翡翠ですが、透明度が高いほど美しいとされています。
上質な翡翠の中には、翡翠を通して文字が読めるものもあるのだそう。
中でも価値が高いとされるのが、高い透明度とともにとろみのある色合いを持つ翡翠です。
翡翠独特の柔らかな光の屈折によって生まれるとろみは、高品質な翡翠の特徴の一つとされています。
これらの様々な評価基準の中で、最も価値が高いと判断される最高級ランクの翡翠は、「琅玕(ろうかん)」と呼ばれます。
琅玕に認定されるには、
● 高い透明度
● ガラスのような美しいツヤ
● 鮮やかな深い色
といった各基準に沿った条件を満たしていなければなりません。
琅玕は英語で「インペリアルジェード」とも呼ばれており、過去には27粒の大粒の琅玕が使用された翡翠ジュエリーが、世界的にも有名なジュエリーブランド、カルティエによって30億円ほどで落札されたこともあるなど、国際的にも非常に高い価値があると言われています。
翡翠は硬度が特別高い石ではありませんが、外から加えられる力に強く、水や光にも耐性があるため、比較的扱いやすいジュエリーになります。
カボションカットは表面に傷がつきやすいため、超音波洗浄は避け、他のジュエリーと分けて収納しましょう。
普段のお手入れは、外したらやわらかな布かセーム革で軽く拭く程度で大丈夫です。
また、翡翠はご紹介したように、「色が育つ宝石」でもあります。
大事に保管しておくだけでなく、定期的に身に着けることもお手入れの一環になるでしょう。
心と身体に調和のとれた平穏をもたらしてくれるとされ、魅力を引き出してくれる翡翠。
身に着ければ着けるほどツヤを増し美しくなるという翡翠は、日常的に身に着け、より自分にも翡翠にも磨きをかけたいものですよね。
しかし、ジュエリーの素材に使われる貴金属の中には、翡翠とは逆に汗や皮脂に弱く、変色や変質を起こしてしまうものもあります。
そこでおすすめなのが、プラチナの翡翠ジュエリーです。
プラチナは化学的に安定した性質を持っており、変色・変質を起こしにくいため、日常生活でも安心して身に着けていただけます。
さらに、プラチナの清廉な白なら、シーンやファッションも選ばず上品に身に着けることができるでしょう。
翡翠ならではの緑色輝きをもっと引き立ててくれるプラチナ・ジュエリーで、より美しい翡翠を育てる楽しみを味わってみてはいかがでしょうか。
日本と縁が深く、魅惑的な緑色が時の権力者や哲学者を魅了してきた翡翠。
身に着けるほどに美しく育つ宝石だからこそ、ジュエリーは変色や腐食の心配のないプラチナがおススメです。
誕生日や結婚記念日の贈り物はもちろん、“これからの人生が豊かになるように”と願いを込めたお守りジュエリーにいかがでしょうか?
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