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コスチュームジュエリーとは?ファインジュエリーとの違いやその歴史をご紹介

2024.8.22

ネックレスやピアス、ブレスレットなど、普段身に着ける装飾品を分類する言葉のひとつに、「コスチュームジュエリー」と呼ばれるものがあるのをご存じでしょうか?
天然宝石や貴金属を用いたジュエリーとは異なるコスチュームジュエリーですが、果たしてどのようなものを指しているのでしょう。
今回はコスチュームジュエリーとはどのようなものかを、ファインジュエリーとの違いやその特徴などもあわせてご紹介していきます。

  コスチュームジュエリーとは?ファインジュエリーとの違いやその歴史をご紹介

コスチュームジュエリーとは?

コスチュームジュエリーは、簡単に言えば貴金属や天然宝石を使っていない、素材を限定しない装飾品のことを指しています。
例えばガラスや合金など、様々な素材が使用されています。
日本ではしばしば「アクセサリー」と呼ばれるものも、その定義が近く、また欧米などではアクセサリーというとベルトや帽子などの小物も含むため、こういった装飾品は海外ではコスチュームジュエリーと呼ばれることが多いでしょう。

 

貴金属・天然宝石を用いていないということから安価なものをイメージするかもしれませんが、コスチュームジュエリーのすべてが気軽に手に入るものというわけではありません。
ハイブランドや著名なデザイナーによって手がけられたものや、希少なヴィンテージの素材を用いたものなど、高い価値を持つものも存在します。

 

ファインジュエリーとの違い

コスチュームジュエリーに対して、貴金属や天然宝石を用いたジュエリーの中でも、より品質の高い素材が用いられているものをファインジュエリーと呼びます。
ファインとは、直訳すると「上質な」「素晴らしい」といった意味になります。
コスチュームジュエリーはそもそも素材を限定しないものですが、ファインジュエリー(ジュエリー)は天然の宝石と金・銀・プラチナといった貴金属を素材とすることが定義となっているため、素材の面で大きな違いがあるでしょう。
ダイヤモンドや24金など、ファインジュエリーよりもさらに希少な素材を用いたものを「ハイジュエリー」と呼ぶこともありますね。

コスチュームジュエリーの歴史

かつて高価なジュエリーは王族や貴族の権威の象徴とされ、それから産業革命によって成功した富裕層が自身の財力の誇示のために妻や愛人に贈る形で一般層に広がりました。
その後、第一次世界大戦により社会が変化し、女性の社会進出により女性が自身のファッションの一部として手に入れるようになったことから、コスチュームジュエリーが発展していくこととなります。
はじめてコスチュームジュエリーをコレクションとして発表したのはフランスのファッションデザイナー、ポール・ポワレだとされていますが、このコスチュームジュエリーの市場発展に大きく貢献したのが、シャネルの創設者ココ・シャネルです。

 

コスチュームジュエリーとココ・シャネル

ココ・シャネルは、1920年代から時代に先駆けてフェイクパールを用いたネックレスなどのコスチュームジュエリーを多く発表し、洋服と合わせてジュエリーを身に着けるという概念とともにその存在を女性たちに大きく広めました。
それまではあくまで本物のジュエリーと同様のつくりがなされ、ある種手軽に手に入る模造品のようだったコスチュームジュエリーは、ココ・シャネルによって庶民だけでなく、上流階級の人まですべての女性がファッションとして楽しむものに昇華されたのです。
現在も、シャネルではココ・シャネルが愛したフェイクパールを用いたコスチュームジュエリーが多く販売されています。

 

こうしてヨーロッパで広がったコスチュームジュエリーは、1950年代にはハリウッドの舞台でも身に着けられるようになり、権力や財力の象徴としてではなく、自身を表現するための装飾品として、ファインジュエリーよりも手軽に身に着けられるジュエリーとしてアメリカを中心に発展していきました。
アメリカはヨーロッパに比べジュエリーの伝統的な固定概念が薄かったことも、爆発的に広がった要因だとされています。
「コスチュームジュエリー」という呼び名も、ハリウッド女優たちの衣装として用いられたことが由来だとする説もありますね。

 

ヴィンテージジュエリーとの関係

ヴィンテージというと、おおよそ30~100年前に作られた由緒あるアイテムを指しますが、ご紹介したような歴史から、コスチュームジュエリーではその存在が広まった1930年~1960年ごろに作られたものをヴィンテージジュエリーと呼ぶことが多いでしょう。
ファッション性が高く素材自体の価値が低いため流行や時代によって消えてしまうものも多いですが、シャネルなどの一流のデザイナーや職人によって作られたものはその時代背景もあり、貴重なヴィンテージジュエリーとして扱われています。
日本においてもバブル期にココ・シャネルが手がけたコスチュームジュエリーが流行したことから、現在もヴィンテージジュエリーとして価値の高いコスチュームジュエリーが注目を集めています。

コスチュームジュエリーの特徴

素材を限定しないことが大きな特徴であるコスチュームジュエリーですが、その他にも、コスチュームジュエリーの特徴として挙げられるものがあります。
コスチュームジュエリーがどのような特徴を持つのか、その多様な素材の種類などとともにご紹介します。

 

コスチュームジュエリーで使われる素材

コスチュームジュエリーで使われる素材の一部には、次のようなものがあります。

 

・ガラス
・真鍮・ホワイトメタルなどの合金
・プラスチック樹脂
・チタン
・フェイクパール
・羽根
・木
・貝殻

 

宝石を模した色ガラスやフェイクパール、プラスチックのビーズなど、これらのあらゆる素材によって、幅広いデザインがなされています。

 

自由度の高いデザイン

素材が多様であるため、コスチュームジュエリーはデザインの自由度が高いのが特徴です。
宝石のような希少価値の高い素材を使用しないため、大ぶりなデザインや細かな加工を加えたユニークなデザインを作りやすいのです。

 

また、繊細なデザインが施されているため、特にヴィンテージのものでは職人による手作業でひとつひとつ作られたものも存在します。比較的安価なコスチュームジュエリーですが、そういったものには非常に高価なものもあります。
素材の価値が高いというわけではなく、その技術やデザインに対して価値が付けられているということですね。

まとめ

今回は、天然宝石や貴金属を用いないコスチュームジュエリーについて、その定義や歴史などをご紹介しました。
コスチュームジュエリーは、もちろんヴィンテージの価値が高いものなどもありますが、気軽に手に入りやすく、ファッション性をより重視したものが多いことが特徴です。
上質なファインジュエリーを長く愛用し、高価なジュエリーを身に着けにくい場所ではコスチュームジュエリーを活用するなど、どちらも取り入れることで日常をより豊かにできるのではないでしょうか。

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監修

PLATINUM

Preciousplatinum.jp編集室

プラチナ・ジュエリーの国際的広報機関であるプラチナ・ギルド・インターナショナルによる情報サイト。
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