プラチナ・ジュエリーの国際的広報機関による情報サイト
2023.3.3
2023.8.18
ジュエリーの中では金属アレルギーになりにくいといわれているプラチナですが、配合されている他の金属や環境によってはアレルギー反応を起こす場合もあります。
では、アレルギー反応が出るのはどういった時で、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか?
金属アレルギーの原因や症状と、アレルギーを起こしにくい・起こしやすい素材、プラチナの結婚指輪を選ぶ際の注意点や、金属アレルギーにならない為のメンテナンス方法を紹介します。
金属アレルギーとは、特定の金属が皮膚に触れることによって起こるアレルギー反応のことを指します。
原因は、汗や体液によって溶けだした微量の金属です。金属が陽イオンとなって体内に入り込むことで、タンパク質と結合し異種のタンパク質となり、免疫細胞に異物と勘違いされることからアレルギー反応が起こるといわれています。
関連記事:「金属アレルギーについて」
ジュエリーによって起こる金属アレルギーの主な症状は、金属が触れた部分のかぶれや炎症などです。
ピアスを着けて耳が腫れたり痒くなったり、ネックレスや指輪を着けていた部分が赤くなったりすることがあれば金属アレルギーかもしれません。
金属アレルギーは、食品や歯科材料に含まれる金属で起こる場合も。経口摂取により口の中のただれや、全身の湿疹や水ぶくれなどの症状が出ることがあります。
金属が陽イオンになろうとする性質をイオン化傾向といいますが、イオン化傾向が大きい金属と小さい金属があり、イオン化傾向が低い金属は、一般的に金属アレルギーになりにくいとされています。
では、金属アレルギーになりにくい素材にはどんなものがあるのでしょうか?
プラチナはイオン化傾向が低い金属のひとつです。それ自体は金属アレルギーになりにくいため結婚指輪でも人気の素材ですが、気を付けたいのは割金と呼ばれる別の金属の存在です。
ジュエリーに使用する金属は、そのままではやわらかく加工に向かないため、強度を上げるために割金と呼ばれる別の種類の金属を混ぜています。
Pt900の場合は90%がプラチナで残りの10%に別の金属が使われているため、その割金にアレルギーになりやすい素材が入っていないか注意が必要です。
金もプラチナ同様、それ自体はイオン化傾向が低い金属です。ただ、ゴールドはK18の場合でも金の割合は75%とプラチナと比べると純度が低く、割金に含まれる金属の種類もさまざまです。
特にホワイトゴールドやピンクゴールドに含まれるパラジウムと銅は、アレルギー反応を起こしやすい素材です。
ゴールドのジュエリーを購入する際はその割金の種類にも注意しましょう。
チタンは空気に触れると酸化して酸化皮膜という膜をつくるため、イオン化しにくく金属アレルギーになりにくいといわれる素材です。
そのため歯科治療に用いるインプラントや人工骨にも使われており、近年では金属アレルギー対応としてチタンの結婚指輪も販売されています。
では金属アレルギーになりやすい素材にはどんなものがあるのでしょうか?特に注意が必要な3大原因金属と呼ばれている3種類をみていきましょう。
金属アレルギーの原因のトップとされているのがニッケルです。サビにくく光沢が美しいことから金メッキのアクセサリーなどに使用されていますが、アレルギー症状が多いことから「ニッケルフリー」のアクセサリーも増えています。
身近なものだと100円や500円硬貨、ステンレス製品や日用品のパーツにもニッケルが含まれています。
コバルトもメッキに含まれていることが多い金属で、アレルギー反応が強い金属のひとつです。
科学的にニッケルに近いため、ニッケルでアレルギー反応が出る人はコバルトにも注意しましょう。
クロムは、ステンレスの割金やクロムメッキに含まれる金属ですが、クロムでアレルギー症状を起こす人の多くはジュエリーではなく、腕時計の革ベルトや革手袋の革製品に含まれるクロムに反応するといわれています。
またクロムメッキではクロムよりも、メッキに含まれたニッケルで反応を起こすことが多いためこちらも注意が必要です。
プラチナは比較的アレルギーを起こしにくい素材ということはわかりましたが、毎日身に着ける結婚指輪はできるだけ安心できる素材を選びたいですよね。
プラチナの結婚指輪で金属アレルギーにならないためには、どんな点に注意して選んだらいいのでしょうか?
上記で説明したように、プラチナ自体にアレルギーが出る可能性が少なくても、割金の種類によってアレルギー反応を起こす可能性があります。
購入する際には、配合されている金属の種類も確認しておくと安心です。
プラチナの割金として多く使われているのは主にパラジウム。他にルテニウム、ニッケルや銀などもあります。
3大原因金属となっているニッケルはもちろん、パラジウムもアレルギーを起こしやすい金属といわれているため、心配であればパラジウムフリーの結婚指輪を選ぶのも手です。
プラチナだけでなくどの金属でも100%アレルギー反応が出ないとは言い切ることはできません。
そのため心配な人は、金属を溶かした溶液でアレルギー反応を見るパッチテストを受けるのがおすすめです。
今回紹介した6種類の金属はすべてパッチテストで調べることができるので、自分がどの金属にアレルギー反応が出るのか知りたい人は、皮膚科などで相談するといいですね。
金属アレルギーは一度発症すると何度も繰り返してしまうことから、以下のような予防が大切になってきます。
汗が原因となると言われていることから、夏場やスポーツ時、お風呂など汗をかきやすい環境ではジュエリーを外しておくのがおすすめです。
それ以外でも汗をかいたら外し、ジュエリーと皮膚の水分をしっかりと吸い取った上で、清潔な状態で身に着けるようにしましょう。
また、常につけっぱなしの結婚指輪は内側に湿気や汚れがたまり、金属アレルギーのように炎症を起こすことがあります。
家事の後やお風呂の後には外してやわらかい布などで丁寧に拭き、しっかりと乾かしてから着ける癖をつけると安心です。
アレルギーの対策として、耐金属アレルギー加工コーティングをする方法もあります。
ジュエリーの上から塗るだけのフッ素コーティング剤が市販されているほか、コーティング専門店でガラスコーティングを行うこともできます。
ただし、どちらも永久ではなく、使用状況で数カ月や数年で落ちてしまうため、かけ直しの頻度や費用なども含めて検討してみるのがいいですね。
金属アレルギーの発症を抑えるためには金属の種類を選ぶこと、こまめなお手入れが大切になります。夏場や汗をかきやすいシーンでの着用は控えて、結婚指輪やお気に入りのジュエリーを長く愛用してくださいね。
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